東京都の女性が大学の准教授に頼んでNHKが映らないように加工してもらい、NHKとの契約義務がないことの確認を求めた訴訟で東京地裁は請求を認める判決をしました。
これまで同様の訴訟で1件が訴え取り下げ、3件が原告敗訴でした。NHKが敗訴するのは初めてのことです。
この判決を受けてネットではNHK排除フィルターを付けて受信料を拒否しようと盛り上がっています。
でも、ちょっと待ってください。まだフィルターを取り付けるのは早いです。
その理由を見ていきましょう。
このケースの特殊性
今回のケースはかなり特殊なケースなので、普通の人がフィルターを購入して取り付けても受信契約料を払うことになると思います。
テレビが3,000円
このNHKが映らない加工テレビを准教授は3,000円で女性に売り渡しました。この3,000円がポイントです。
NHKが映らないテレビはブースターを購入することでNHKが映るように戻すことが可能です。このブースターは5,000円以上するそうです。
今回の判決は、テレビより高い金額払ってブースターを買わないとNHKが観れないテレビは、NHKが観れるテレビとは呼べないだろうというものです。
専門知識の無い女性
このフィルターを付けたのは大学の准教授で女性が取り付けたわけではありません。専門知識の無い女性にこのテレビをNHKが映るようにすることは難しいだろうという判決です。
フィルターがテレビと一体化
今回のテレビとフィルターは一体化していて取り外しができないものだと思われます。
取り外しできるものだと、取り外せばNHKが観れるので契約しないといけません。
取り外しできないように溶接したとしても同様の結果になると思われます。溶接を外すことができるという理屈からです。
なので、フィルター購入しようとしている人はちょっと待った方が良いでしょう。
ワンセグ非対応携帯、カーナビ無し
過去の判決で、テレビを持っていなくてもワンセグ対応携帯を持っていると受信料を払わないといけないというものがありました。
同様の理由でカーナビを持っていてもNHKの受信料を払う必要があります。
このことについては触れられていませんが、この女性はワンセグ非対応の携帯で、なおかつカーナビを使っていないということなのでしょう。
これらの点からかなり特殊なケースだと言えます。
地方裁判所判決
今回の判決は東京地方裁判所の判決です。最高裁まで行くと後2回裁判があります。
控訴、上告して結果がひっくり返ることもあるでしょう。
強力な弁護団でしっかり準備して控訴するでしょう。個人的にはひっくり返されそうな気がします。
最後に
ネットが盛り上がっているのに水を差すようで申し訳ないのですが、フィルターを購入して付けてもNHK受信料は払い続けることになるでしょう。
はにおも年間1万4千円前後の出費はできることならしたくないです。
根本的に払う、払わないで争ったり、NHK敗訴でみんなが大喜びするような放送局なのが良くないと思います。
みんなが喜んで支払う放送局を目指さないといつかは破綻する日が来ると思います。裁判をやりながらでも良いので改革を進めて欲しいです。
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